スペインの挨拶は「オラ!」。朝も昼も夜も、いつでもどこでも、まずは「オラ!」の一言で始まります。よって、スペインのことを親方名付けて「オラオラ帝国」。我々オラオラ帝国探検隊2009年春の記録です。
4月29日(水) 美食の都、バルの聖地へ(マドリード→サンセバスチャン)
旅の10日め。この日は朝7時30分の列車で、サンセバスチャンへ移動です。
早起きして荷造り、チェックアウトを済ませ、ホテルの前の通りでタクシーをつかまえて、アトーチャ駅へ。運転手さんに「サンセバスチャンに行く」と言うと、「それならチャマルティン駅じゃないのか」。。。。確かに、ガイドブックには北部への長距離列車の発着はチャマルティン駅と書いてあったような。でもトレドの帰りにRENFE(国鉄)の窓口で購入したチケットにはちゃんと『アトーチャ駅』と書いてあるのです。
駅に着いてトランクのスーツケースを降ろすときにも「チャマルティンじゃないのかなぁ。」とぶつぶつ言う運転手さんの態度に、一抹の不安を抱きつつホームへ。発着ボードでチケットの列車を確認して、ようやく安心。
7時半、時間通りに出発です。
↑列車の朝食。AVEの失敗があるので、今回はプレファレンテ(1等)であることを何度も確認してあります。ようやく、1等の特権を楽しむことができました。座席は前後もゆったり、左右も片側1席、片側2席で広々です。朝ご飯のときには、ソフトドリンクだけでなく、ビールもワインも何でも無料です。親方はコーヒー頼みましたが、私はカヴァです。
フレシネ・コルドンネグロのミニチュアボトルでした。食事は機内食同様おいしい!ってものじゃないけど、最後の列車移動でようやく取るべきチケットを取って、快適ご機嫌であります。
↑街を抜けて北へ向かうと景色がどんどん変わります。緑豊かな森を抜け、深い森に入り、谷を流れる川を渡り、列車の窓から見える景色は、日本の山々を思い出すような雰囲気。たぶん湿気を含んだ深い緑のせいだと思います。『グリーンスペイン』と呼ばれる所以です。どこまで行っても荒涼とした岩山とオリーブ畑が延々と続く南スペインとは、違う国のようです。
12時半、時間通りサンセバスチャン駅に到着。5時間あっという間でした。
駅に降りると、小雨が降っていて少し肌寒い。天気が悪いとテンション下がっちゃう我々ですが、気にしても仕方ないので、とにかくまずはタクシーでホテルへ。
↑この街で私たちが泊まったのは、
Pension aldamar。このビルの2階部分です。サンセバスチャンは有名観光地なので全般にホテルの料金は高いのですが、ここはこの旅の中でも最安値。
↑確かに部屋はちょっと狭いけど、隣には小さなスーパー、目の前は市場、その脇を入れば旧市街、すぐにバルの聖地が広がります。街を歩くのにこれ以上便利なところはない!っていう場所でした。短期滞在にはそれが一番大事なポイントです。
↑ホテル建物の入口の扉。私の身長の3倍くらいあります。
↑ホテル建物のロビー。右側にエレベーターが見えます。
↑これがエレベーターの扉。20数年前のスペインの安ホテルは、木の扉でなければデザインされた鉄格子の扉とか、ほとんどこのタイプだった気がします。昔の映画に出てくるみたいで、私はこのエレベータが好きなんだけど、今回の旅ではここだけでした。老朽化して安全のために変えてしまうのでしょうか。
サンセバスチャンは、スペイン北部、ちょっと東に行けばフランスが隣り合う国境近くの小さな港街です。美しい入り江に広がる街は、『ビスケー湾の真珠』と称され、古くから王室の避暑地として、ヨーロッパ有数の高級観光地として愛されています。そしてもう一つの顔が『美食の都』。バル発祥の地とも言われています。女人禁制の伝統ある美食クラブが数多くあるそうです。(もちろん女性の美食クラブもあると思いますけど。)とにかく、親方と私にとって、この旅で最も楽しみにしている3日間のバスク滞在です。
バスクという土地については、また別に書きたいと思ってます。
さて、ホテルで荷物を整理して、シャワーを浴びて身支度をして。
いよいよ美食の都のバル巡りへ出発です。(つづく)