スペインの挨拶は「オラ!」。朝も昼も夜も、いつでもどこでも、まずは「オラ!」の一言で始まります。よって、スペインのことを親方名付けて「オラオラ帝国」。我々オラオラ帝国探検隊2009年春の記録です。
5月1日(金) スペイン最後の夜(ビルバオ)
旅の12日目、ビルバオに到着、ホテルにチェックインして、街の探検に出発です。
まずは、歩いて街の中心、モアユ広場へ。
↑メトロ入口。ちょっとSFっぽいけど、だんご虫みたいでもあります。
「ビルバオは、バスク(ビスカヤ県)の首都、造船と鉄鋼業で経済的発展を遂げた工業都市。しかし重工業の衰退とともに街の勢いも下降の一途をたどっていたところ、1990年代後半から
グッゲンハイム美術館、ビルバオ空港、スピスリ橋、磯崎ゲートなど、近未来さながらのモダンアートあふれるデザイン都市として甦った。」っていうのが、ガイドブックに書いてある街の紹介です。
確かに、バスもトラムも、ホテルも、美術館も、このメトロ出入口も近未来SFのようなデザインです。
しかし、たぶん3時過ぎだったと思うけど、街が静まりかえってます。人通りが極端に少ないんです。地元の人は休日に出歩かないんでしょうか。
静かな街を、まずはビルバオのシンボルとも言われる『Cafe Iruna』へ。隣にはきれいな公園があります。
1903年創業。市の特別史跡にもなっているそうです。
ここには人があふれてました。
アラビア様式の豪華絢爛な内装。イスラムとその文化の影響は、こんな北まで来てたんですねぇ。あんまり写真をとってないから、詳しくは
お店のサイトでどうぞ。
さて、店内の少し高くなった所にテーブル席があって雰囲気よさげでしたが、我々は迷わずカウンターへ。ビールを飲んでハモンとピンチョスをつまんで、ちょっと赤ワインもグラスでいただいて。
カマレロの皆さんはすごく忙しそうで、愛想がないっていうか愛想が悪いっていうか。。。それでも老舗バルならではの雰囲気を味わって、お店を出るときは満足感に包まれてました。
そこからメインストリートを歩き、デパートやブティックをひやかし、1本裏に入っては、目についたバルへいちいち入ってみました。
↑あいかわらず人はいないけど、バルに入ればカウンターに美味しそうなタパスやピンチョスが並んでます。
↑バスクの男たちシリーズ。
あるお店の入口に、置物のように座っていたおじいさん。カウンターのおじさんの父親とのこと。「写真を撮ってもいいですか?」と聞くと、私たちの写真を撮ろうとするので、「そうでなくて、あなたの写真を撮りたいんです。」と言うと、最初はいやがったものの、照れくさそうに座り直し、石のように固まって写させてくださいました。固まったポーズがまた、頑固一徹な感じ。かっこいいなぁ。
3軒くらいバルのはしごして、いったんホテルへ戻り休憩。7時近くになって、もう一度出直しました。
↑曇り空のグッゲンハイム美術館。
今度は美術館側へ出て、川沿いに旧市街をめざします。橋を渡る前にさっき通ったメインストリートに出たら、さきほどと同じ街とは思えないほどすごい人。にぎわってます。大都市でもない、とりたてて観光地でもない街ではシエスタの時間、本当に静まり返るんですね。特に休日だったし。シエスタを終えた街は夜に向けて息を吹き返し、我々もワクワク感が盛り上がってきました。
橋を渡って旧市街へ。
親方はやっぱり古い街の古い建物における「ケンタッキーフライドチキン」が気になるようで↓。
↑旧市街を歩くと、ほっとして既に懐かしい気持ちになります。写真はおじさんに道聞いてるところです。
↑カフェにも入りました。
↑カテドラルにも入ってみました。
それから、ヌエバ広場へ。地元の人も観光客もたくさん集まってました。我々は広場の中のバルをはしご。なんたって、今夜でバル巡り最後なんですから↓。
暗くなってくると、温かい灯りに包まれて、広場はますますいい雰囲気に。
そして、最後に入ったのは、ここ『VICTOR MONTES』↓。
入口付近がバル、奥がテーブルになっていて、2階はコース料理のみのレストランです。入口バルのカウンターはすごい人で、注文なんて不可能に思えます。それで、我々は人を押しのけ分け入り、1階のテーブル席へ。ここで座ってアラカルト料理を楽しむことにしました。
↑シックで落ち着いた内装です。
壁の額に我らが『PARXET』のエチケットも飾ってありました。
↑どうしても食べたかったホワイトアスパラ。
↑きのことハモン。
↑ステーキ。しっかり赤みのジューシーなお肉でした。
↑ひたすら立ち飲み旅だったから、フルボトルで飲んだのは初めてかも。リオハの名門ボデガ『MUGA』のレゼルバ2005年。重厚で複雑な味わい。このワインはもちろん、スペインで飲んだワインはどんな下町のバルのハウスワインでも、一つの例外なく美味しかったです。ワインとハムとパンの国です。
食事を終え、親方がシガーを味わいたいというので、外のテーブルへ。(スペインはいまだタバコ天国でありまして、レストランやホテルでは規制も厳しいと思うけど、いわゆるバルは、吸いたい放題です。でも、親方は隣で食事してる人がいるところでシガー吸う気にはならないので、あえて外へ。外の方が気持ちいいし。)
↑カフェソロにブランデーとシュガーをたっぷり入れてデザートです。ここで、隣のテーブルにいたアメリカ人夫妻と少しお喋りし、写真を撮り合いました。
そして、再び橋を渡り、旧市街を後に。川や橋っていうのは、旅の象徴ですねぇ。
ホテルへ歩きながら、あぁ、本当にスペイン最後の夜なんだと感慨に浸り、バルセロナに着いたときのことに始まり、あの街あの人あのお店などなど、二人で尽きぬ思い出を語りつつ、明日向かうパリに思いを馳せつつ、眠りにつきました。
オラオラ帝国探検隊日記 最終回につづく。