11日当日、ツイッターを追いかけながら、ふだんのツイートが静まり返っていることに、私は感動しました。誰も無駄口をたたかず、被災地のための情報のみが次々と流され、大事な情報が必要とされる人に届くようにという、皆の切実な気持ちを感じ取ることができました。
しかし5日経ち、いまだに被災地からの被害情報は増えるばかりで、日本中が疲れています。ネット上もノイズが増えてきました。パニックを煽るようなデマや、チェーンメールもあります。でも私が一番気になるのは「不謹慎」と「自粛」に関することです。何でもかんでも「不謹慎だ」と声を荒げる人たちに心底がっかりしています。
この災害を免れて無事でいる私たちにできることは、本当に限られています。ささやかな寄付以外には、現場の力を信じて祈るだけです。
現場で夜を徹して、命がけで活動している人たちの「邪魔をしない」こと、途方に暮れている被災者の気持ちを逆撫でするような「余計なことをしない」ことが何より大事だと思います。
私が考える「不謹慎」は、現場の邪魔をする行為、被災者の気持ちを傷つける行為です。
それ以外は、不謹慎じゃありません。
だって、私たちは、生きていかなきゃいけません。暮らしていかなきゃいけません。無事でいる私たちがこれから長い復興の道を切り拓いて歩いていかなきゃいけません。
今こそ、今まで通り今まで以上の仕事をして、日本の経済が無駄に落ち込まないように、積極的に経済活動、消費活動をするべきだと思います。
そして経済活動はいわゆる会社だけじゃありません。どこにでも、仕事があることを忘れないでください。
レストランで贅沢な食事をすることが不謹慎なら、レストランで働く人が仕事を失います。
こんなときに旅行をするのが不謹慎なら、旅館やホテルや観光地で働く人が仕事を失います。
コンビニやパチンコ店に節電を頼むならともかく、営業自粛を強要するなら、そこで働く人が仕事を失います。
野球をやるべきかという議論。物理的に不可能なら仕方ないけれど、選手だけの問題じゃありません。デミキャフェのお客様が言ってました。「球場でお弁当を売る人、ビールを売る人、近くの駐車場など、野球の周りで仕事をしている人たちもたくさんいる」のです。
それにもちろん、野球を楽しみにしている人もいます。
キャバレロのお客様が言ってました。「子供がいつも楽しみにしているアニメが放送されず、被災地の映像ばかり見て怖がって泣いている」。
無事な人が仕事を失っては、それは二次災害です。
元気な子供達が楽しみを奪われて泣くのも、二次災害です。
野球ファンが野球を、サッカーファンがサッカーを楽しめないのも、二次災害です。
無意味に「不謹慎だ」「自粛だ」と騒ぐのはやめましょう。被災地に最大限の協力をしつつ、無事でいる人は無事でいることに感謝して、前を向いて上を向いて、元気に温かく暮らしましょうよ。
本当にそう思います。
ついでにお店の考える「チャリティ」について。
キャバレロでもデミキャフェでも、お店でのチャリティライブや募金をする予定はありません。
私に今できることは募金をすることだけだと思っていますが、信頼できてお客様が選ぶに十分なたくさんの窓口が既にあります。募金窓口になることは、キャバレロやデミキャフェが果たす役割ではないと考えます。
チャリティライブやイベントについても同様です。チャリティとして新たなイベントを企画し、その目的のために大勢の人を集めようという人たちが、既にたくさんいます。力のある人たちに任せようと思います。キャバレロやデミキャフェは今まで予定していたライブを予定通り行うのみです。もともと予定していたライブに「チャリティ」と冠だけ付けても意味がないと考えます。
それよりも、今まで通り音楽を楽しむ。お酒を楽しむ。料理を楽しむ。純粋にそういう場所でありたいと思っています。
お客様何人かとお話する機会があったので、お店の考え方として書いておきました。チャリティライブを否定している訳ではありませんので、誤解のないようにお願いいたします。被災地のために、という気持ちは皆同じです。各々の考え方で、自分にできることをするのみです。
何よりも、被災地の救援活動が前に進むことを祈っております。