スペインの挨拶は「オラ!」。朝も昼も夜も、いつでもどこでも、まずは「オラ!」の一言で始まります。よって、スペインのことを親方名付けて「オラオラ帝国」。我々オラオラ帝国探検隊2009年春の記録です。
4月30日(木) 「親方、異国の地で歌う」編(サンセバスチャンの夜)
サンセバスチャン2日めの夜。前日も行ったバルを出たあと歩いていると、どこからか音楽が聞こえてきました。港でイベントでもやってるのかなぁと、音の方向に近づいていくと。。。。
どこかのお店の前に人だかり。この
『NOVENTA GRADOS』というブティックから音が聞こえていたのでした。
道路から中をのぞくと吹き抜けになっている階段の下でバンドが演奏してます。サンセバスチャン中の若者が集まってるかと思うほど、すごい人。何かのパーティみたいです。二人で見てたら、中の人たちが明らかに我々に向かって手招きします。
そ、そぉ? 入っていいの?
ってことで、入っていきました。お洒落なブティックです。みんなビール飲んでるので、近くの人に「どこで買えるの?」って聞いたら、奥を指差すからどんどん中に入っていくと、ワゴンでビールを配ってました。無料です。
いいパーティに紛れこんじゃったなぁ。ラッキー。とご機嫌でビールを飲みます。↓
↑好奇心旺盛でお茶目な親方ですが、店員さんには挙動不振と思われてます。
↑よく見ると、若者だけでなく、私の横にはこんなゴージャスなマダムもいました。顔が映せなくて残念、かっこいいんですよ。
しばらくビールを飲みつつ、演奏を聴きながら、「どこから来たの?」とか話しかけてくる人とお喋りしたりしてパーティを楽しんでました。
そのうち、私が「BOSSにも歌ってほしいなぁ。歌ってよ、歌ってよ」。親方は「そんなこと言われても」。
って二人で言ってても仕方ないので、バンド演奏がいったん終了したときに、思い切ってお店の人に話しかけてみました。
お酒の勢いで、スペイン語で大風呂敷を広げる私。↓
「日本からすごく有名なミュージシャンが来てるんだけど、演奏させてもらえないかしら。歌も歌うんだけど。」(親方の方を見て)「あら、彼? 彼は歌うって言ってるの?」「そう、彼は歌いたいって言ってるんだけど。」「じゃあ、ちょっと聞いてくるわ。」
注)実際に向こうで観察したところ、ファッション関係で働く男性は(ZARA でも H&M でもどこでも)、ほぼ例外なくあちら系の方たちです。
とにかく、ちょっとしたやりとりのあと「それなら、ぜひやってくれ。」ってことになって、なんと本当に親方が歌うことになりました。
司会の人が「日本のミュージシャンがこの街に遊びに来てます。そして、今から僕たちのパーティで歌ってくれることになりました。BOSS です。」と紹介してくれると、盛大な拍手で迎えられました。親方は英語でご挨拶。
最初はマイケルフランクスの『When the cookie jar is empty』をドラムと二人で。親方、エレキ抱えて腰をふってました。お客さん大歓声。1曲のつもりがアンコール。
で、若干ポップス調にアレンジした「イパネマの娘」。「イパネマ」を「サンセバスチャン」に言い換えたけど、ゴロがあわなくて残念。途中でバンドのボーカルの女の子も一緒に歌ってくれました。今思うと「ドノステア」(バスク語のサンセバスチャン)という言葉があったなぁ。
↑写真左に写ってるスキンヘッドの方がここの親分と思われます。司会もしてました。
↑ギターを弾きながらポルトガル語で歌うハポネスを珍しそうに見つめる人々。
↑すごい格好で写真撮ってる人もいました。私にとって、動画を撮らなかったことが今も後悔しきりでございます。
大きな拍手に包まれて終了。戻ってくる親方に皆が拍手したり、握手を求めたりしてくれました。その後も、いろんな人が親方のところに来て「サインして」「一緒に写真撮って」。。。。親方、鼻の穴広げて満足げでありました。
親方がミュージシャンだってことを封印して、ひたすら街歩きとバル巡りに徹した旅だったけど、親方がミュージシャンであることを再確認した日でありました。
お店のスタッフと記念撮影。
<この夜のパーティのことはお店のブログに書かれています。親方のことも『The Boss』として紹介されてますよ。
ここをご覧ください。しかも、クリックするとキャバレロのサイトにリンクされております。感激です。>
このパーティは、旅の素敵なハプニング。親方にとっても私にとっても、本当に夢みたいなひとときでした。
興奮さめやらず、海を眺め、街を歩いて、サンセバスチャンの姿をしっかり心に刻んで眠りにつきました。
明日はバスに乗って、スペイン最後の街ビルバオへ。
つづく